句の意味・現代語訳

原文
小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば いまひとたびの みゆきまたなむ
日本語訳
小倉山の峰の美しい紅葉の葉よ。お前に人間の情がわかる心があるなら、もう一度天皇がおいでになるまで、散るのを急がないで待っていてくれないか。

句の作者

貞信公(880〜949)

貞信公(ていしんこう)は、藤原忠平(ふじわらのただひら)のこと。藤原基経の四男で、平安時代時代前半に活躍した公卿。天皇を中心とした政治を目指した、延喜の治と呼ばれる政治改革を行いました。61代天皇である朱雀天皇の時に摂政となり、時を経て関白に任ぜられました。関白になった以後、村上天皇の御世まで長い間政権の中枢にいました。

句の語句語法

小倉山京都市の北西、右京区嵯峨にある山。現在のトロッコ嵐山駅周辺を指す場所。紅葉の名所と知られ、大堰(おおい)川を挟んで嵐山の対岸に位置する。山の麓には藤原定家の別荘である「小倉山荘」が過去存在し、藤原定家が小倉山で百人一首を選定したことから「小倉百人一首」と呼ばれることになった。
心あらば「心」は「人の心」または「人の情」の意。「あらば」は動詞「ある」の未然形と接続助詞「ば」で順接の仮定条件である。紅葉を人になぞらえる、擬人法ととってて「峰のもみぢ葉」を人になぞらえている。よって、「(峰のもみぢ葉)に心があるならば」の意味。
今ひとたびの「せめてもう一度だけ」の意。
行幸(みゆき)天皇が訪れること。この句における天皇は「醍醐天皇」である。また、天皇は「行幸」と表記、上皇・法皇・女院は「御幸」と表記し、「御幸」は「おでまし」を意味する。
待たなむ「なむ」は願望の終助詞で、「待ってくれないか」の意味。

句の季節・部立

季節・部立
雑秋

句の決まり字

決まり字「をぐ」
をぐらやま みねのもみぢば こころあらば いまひとたびの みゆきまたなむ

句の語呂合わせ(覚え方)

語呂合わせ
をぐらやま みねのもみぢば こころあらば
いまひとたびの みゆきまたなむ
覚え方小倉山今一度の深雪
小倉山で再びの雪を待つ男の子

句の出典

出典
拾遺集

句の詠み上げ

句の英訳

百人一首の句の英訳です。英訳はClay MacCauley 版を使用しています。

英訳
If the maple leaves On the ridge of Ogura Have the gift of mind, They will longingly await One more august pilgrimage.